SSブログ

書評 経営者の条件 [読書 書評]

経営者の条件 P.F.ドラッカー
http://www.diamond.co.jp/book/9784478300749.html

私が書評なんて恐れ多いのですが、、数年振りに再読。

今は、働く人はみな経営者としての意思決定を迫られる(仕事の成否を左右する判断)。でも、修練すれば誰でも「出来る人」になれると著者は背中を押す。時間を作り、勉強して、いろんな人の賛成反対意見を聞いて考えて、最後は度胸だって(汗。著者のお茶目(笑)な人間観察と歴史的なものの見方を見せてくれる。いま我々が直面している問題も歴史の繰り返しらしい。普段、不思議に感じる出来事や、よく聞く流行の背景がこれでもかと書いてある。悩んでいる人に特にお薦め。1960年代の本とは思えず。

第4章人の強みを活かす では、どーして「イーサン・ハント」みたいな万能の人が求められてしまうか解説されている。そんな人いないって!「せいぜい一つの事に優れる人」がいるだけと。私にはとても可笑しかった。
nice!(2)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

クリティカルチェーン [読書 書評]

42045-thumb-160xauto-3331.jpg
http://www.diamond.co.jp/book/9784478420454.html
クリティカルチェーン
なぜ、プロジェクトは予定どおりに進まないのか?
エリヤフ・ゴールドラット:著

とある知人に教わった話。
「仕事の規模が大きくなったら、ちゃんと勉強しないと進められませんよ。」
えぇ?!と驚くわたし。CCPMとかTOC(制約理論)という言葉を聞いた。
20年も勤めて初めて聞いたんですけど、、おかしいなぁ。

そこから辿って見つけた本。
兵隊の行進になぞらえて、皆の歩調をあわせれば仕事は前に進むとある。歩調はその時の一番辛い人に合わせる。一番辛い人を守り、支援すれば物事はうまく行く。おそらく、現状は皆が「闇雲に」「非同期に」頑張って、行き違いや、やり直しや、内向きで、いらない仕事の山になっている。
それを片付けるだけでも凄いのかもしれない。

えらく深い話らしい。多くの本がシリーズで出ているので暫く読んでみる。
闇雲で無茶な仕事で困っている方にご一読を勧める。


nice!(2)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

二人称関係  [読書 書評]

DSC08805.jpg
こころを開く対話術 泉谷閑示 Softbank Creative
http://www.sbcr.jp/products/4797355895.html

自立した個人が他者を尊重し対話することについて掘り下げた本。

この本では「二人称関係」が刺さった。
二人称関係(二項関係)とは、相手によって話す内容や振る舞いを変える事をいう。相手によって様々な自分を使い分けるとも言える。例えば二人で話す時は話し易い。これは相手が決まっているので、どんな自分を振る舞うか決められるため。反対に複数の人を相手に話す事は難しい時がある。これは複数の相手に対して、どう振る舞うか決める事が難しいため。僕も会議では話辛くなる。そういう仕組みだったのか。他にも相手によって態度が変わるのもこれだ。上にペコペコとへりくだり、下にどつくとか。

二人称関係では、相手との関係(上下関係とか所属する共同体)を重視し、相手によって言うべき事、言っちゃいけない事が変わる。こうなると、現実の問題を扱う事は困難になる。なぜなら、相手との関係を「破壊」するから。二人称関係においては相手との関係が最重要であり、それを壊す現実の問題は「二の次」で「あってはならない事」とされる。たとえそれが大惨事に繋がる事でも。

僕は二人称関係で責任ある仕事を扱う事は無理と感じる。だって、技術にしろ商売にしろ現実の問題は嘘をつかないのだから。問題は共同体のコンセンサスを取るまで待ってはくれないのだから。他者を尊重し、相手に干渉されず一貫した振る舞いをとるのであれば、重い現実の問題を扱える。

以前読んだ「『普通』がいいという病」から、さらに内容が噛み砕かれていて取っ付き易い。他にも「世間」とか「たかをくくる」など解説されている。人間の振る舞いを理解する為に、一読をお勧めする。自分が何に抑え付けられているのか見えて来た。

*上下関係というよりは、ただの好き嫌いかも。
nice!(2)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:健康

長いものに巻かれる [読書 書評]

DSC07282.jpg

服従の心理 河出文庫
http://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309463698/

少し前に世の中の八割の人は環境に付いて行く話を書いた。
どうしてだろう?と思いつつ本屋に吸い込まれて見つけた。

内容は、その辺の人を連れて来て命令したら、電気椅子で他人に拷問を加えることができちゃったと言う話。心理学では有名な実験だそうです。電撃はうそなのですが。。。事前の予想では「そんなのやらないよ」と思われたのに実際は出来た。 人によって葛藤を抱えたり、平気だったりはあるものの、六割くらいの人は命令に従い最後まで拷問を加えたと。たまに反抗して自分からやめた人もいた。

解釈は色々あるそうです。が、拷問は極端だけど、大抵の人は上から命じられると、しょうがないと諦めたり、仕事だからとか、後を考えずに、言われた通りにやるのかなと。目的を考えない、目先で行動する、周囲を気にする。実体験とも近いと感じます。

怖い話だ。これに気付かなければ、どれほど気楽か。
組織や社会は生き物。どう付き合うか。現実を突き付けられてます。
流されない人は必読。流される人には当たり前の話でつまらないと思う。

*知らずに単行本買ったら3000円以上もした。後で文庫があると知る。濃いからいいけど。
 すんごい装丁。カバー外しても同じ柄。見たら忘れられない。
nice!(2)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

やっと読んだ [読書 書評]

DSC07283.jpg

困ってるひと 大野更紗
一年前のうつ休み中、やっと外出すると書店でこの本が平積みに。おしり洞窟という表現に自分の脳ミソが凍りつく。怖くなって見送ったのでした。先日、福祉番組で著者を見かけ改めて探した。ところが単行本が無い。なんと世知辛い。すると文庫本になっていた。

改めて読んでみる。僕もほぼ寝たきりの母を看たから少し分かるけど、これほど凄惨な体験をよく観察して書いたなぁとぶったまげる。読んでて痛いわ泣けるわ吹き出すやら。僕も足の蜂巣炎はビリビリ痛んだ。けどさ、おしりが赤色巨星級に腫れて座ることも出来ず、破裂してクレーター級の大穴が空いたらねぇ。せめて、かさぶたにはなったのでしょうか。そこが心配。

そしてこの人も頑張屋だな。自分が無理しているのが分からなくなって倒れる典型。アロスタシスという話し。その体でタイに行くか?と突っ込みたくなった。きっと一直線に頑張り過ぎたのだろう。それでも「難ソナ(泣)」して「ご重体」ながら退院して再起しちゃうんだから凄いなぁ。

僕も病み上がりの少し困った人だ。影ながら著者を応援します。リンクしとくよ。
http://watashinofukushi.com
http://synodos.jp/komatterus
nice!(2)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:健康

自分を知りたい人に、、 [読書 書評]

連休で齧ってみました。

DSC06624.jpg

自閉症スペクトラム入門
サイモン・バロン=コーエン 著
水野薫 鳥居深雪 岡田智 訳
中央法規 1800円

本書は自閉症やアスペルガー症候群の書籍で引用されていた。これが種本らしい。著者はイギリスにいる自閉症研究の第一人者。現在の自閉症にまつわる知見を平易に説明した入門書。

「自閉症」と聞くと特別なこと?と思いがち。実はとても身近な話。自閉の性質は大なり小なり誰にでもある。様々な特徴の組み合わせで、その人なりの「癖」とか「特技」とか「個性」が出るようだ。例えば「話を鵜呑みにしない」ことは外の邪魔を絶つから出来る。思考、分析、発想、開発、構築、創造、技術、技能、技量、マイブーム(笑)なんてのも自閉から来るようだ。私が何でも不思議がるのも「システム化」という仕組みを知りたがる/作りたがる特徴のようです。

自閉症やアスペルガーの研究は1980年代から急速に進んでいるとのこと。それに伴い用語や分類も次々に変わっています。だから本によって用語の使い方がばらばらなんだ。 今では「正常」から「古典的自閉症」まで症状が変化して行く連続体(スペクトラム)として認識されている。昔は稀と思われていたが今では全く珍しくない事がわかっている。乳児・幼児から診断出来る様になって来たし、それに合わせて教育/支援することも出来るそうだ。
*研究中なら支援も発展途上であろう。
*根拠の無い危ない「治療」への警告もある。

著者は自閉という性質を大切に扱っている。当事者の生活に障がいが出るのであれば支援すれば良いし、長所を伸ばせば大きな力になる。その自閉と付き合うための知見を本書で示している。自分を知りたい人、新書では物足りない人向き。

・自己診断
僕は人間の癖に興味があるのだけど、本書はそれを見事に列挙している。例えば「自閉症スペクトラム指数」という50問の問診が付いている。点数によりある程度の見当がつくようだ。その設問に特徴が並んでいる。「小説を読まない」とか図星(爆)な問も多々。自己診断は「平均以上」のほぼ上限。アスペルガーの一歩手前。物好きだけど、人好きな所で減点した。やはり僕は中途半端だ(笑)。

妄想の追記
「自分で考える」ことが自閉的であるならば、自閉の少ない人はあまりモノを考えないのかも。そういう人が多数派で。「考える人」は少数派。だから「これは危ないよ」と本当の事を言っても嫌がられる。ともすると危ない事が通る。少し考えれば避けられそうな惨事が続く事が残念でなりません。でもそれが人間社会の「性質」なのかもしれない。う〜ん、困ったぞ。

さらに追記
識者に伺った所、自閉の少ない人は共感能力が高く受け身的。受け身なりに判断する。合えば受けいれるし、合わなければさっさと他へ。。。どっかで見た様な(汗
nice!(3)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:健康

とうとう量子力学 [読書 書評]

DSC06245.jpg

光と物質の不思議な理論 岩波現代文庫
リチャード P ファインマン

商売道具の電磁気をおさらいしようと思った。学校で習った事を思い返すうちに、電気って電波ってなに?と引っ掛かってしまった。だって、(二十年前の大学電気科の)教科書に電気力線とか磁力線とか書いてあってもその正体は書いてない。静電気で髪の毛が立ったり、磁石がくっ付くのは何故? 空間を電波が伝わるというかエネルギーが伝わる(例:**ラジオは出力100キロワットでお送りしています。)ってどういう事? 針金がアンテナになるのは何故? 光は光子という粒だったり電磁波の仲間だったりするのは何故? と訳分からなくなってしまった。こういうのに引っ掛かるのが僕の癖で、先に進めなくなっちゃった。

ネットを模索するうちに名前だけは知っているファインマン先生にぶち当った。「量子電磁気学」なるモノを一般の物理好きな人に、難しい計算抜きで説明しようという内容。捲ってるだけでも学校で習った事がガラガラ崩れだしている。 AからBに飛ぶ光はまっすぐな道だけではなく、様々な経路を辿っているとか、鏡の反射も単純な話ではないという、知らない世界だらけ。久々に理科のコーフン(笑)を味わっている。でもさ、約40年前のノーベル賞ネタが何故20年前の教科書に無いの?

*この先生も相当ぶっとんだ人だったそうで面白そう。
nice!(4)  コメント(2)  トラックバック(0) 
共通テーマ:学問

何故か上手く行かない人に [読書 書評]

もしかして私、大人の発達障害かもしれない!? 田中康雄 すばる舎

http://www.subarusya.jp/book/9784883999934.html
http://ebookstore.sony.jp/item/BT000013560600100101/

就職した頃に要領が悪く仕事の輪に入るのに苦労しました。自信が無くて空回り。何とか作法を学習しましたけど、、。そんな何故か上手く行かず悩む方にお薦めします。

著者の暖かさが滲み出ているのがいい。自分の凸凹を受け入れ、良い所は伸ばし、下手な所はカバーし合うとある。実際、宿題を先に片す人と間際にやっつける人がいるそうで、、私は片さないと気持ち悪いのだけど、両者の組み合わせもありなんだな(謎)。同様に凸凹な人をサポートすることも書かれています。沢山話したい人なら、それを聴けば良いと。だから知人のマニアな話に付き合っているのもいい訳だ。やっぱ友達は大切です。
*私の休職中「誰も聞いてくれなかった」らしい。カメラとパソコンじゃ無理もないか(笑)
nice!(3)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

暮の読書 [読書 書評]

人はなぜ眠れないのか 岡田尊司 幻冬舎新書
http://ebookstore.sony.jp/item/BT000012771800100101/
お医者さんによる睡眠の基礎知識や眠り方の指南。
唸った所
・「睡眠を削る事は命を削る事」だそうです。
 とある業界のデスマーチは「死の行進」ですよ。
・「覚醒のピークは午前中と夜の二回」とある。我々は夜のピークで残業してたんですよきっと(爆)。どうりで高齢化する訳だ。蓮舫担当大臣、残業は禁止しましょう。

ぼくはアスペルガー症候群 権田真吾 彩図社
http://www.saiz.co.jp/saizhtml/bookisbn.php?i=4-88392-800-2
http://ebookstore.sony.jp/item/BT000013260900100101/
アスペルガーの当事者による貴重な解説。著者は私とほぼ同世代で職業もエンジニア。エピソードといい(携帯は通話とメールで充分とか)、正確な文体といい、すごく共感する。七転八倒しながらも自分をよく見てるし、只では起きないし、ちゃんと働いて所帯も持ってるんだからすごいね。身に覚えのある方も多いはず。是非読んで頂きたい。

エンジニアとしての生き方 中島聡 インプレス
http://www.impressjapan.jp/books/2994
きっとIT業界の皆さんは常識でしょうね。アナログ屋なんで今頃見つけました。
 「もっとも許せないのが、そういった上流→下流という階層構造でプログラムを作る工程そのものだ」に激しく共感。自分でプログラムを書かない上流の人が仕様書を書ける訳が無いと。一流のエンジニアは自分でプログラムを書いて人のもチェックしてるのだそうだ。 これは製造業も同じで、守銭奴ビジネスマンが「絵に描いた餅」な仕様を"描いて"「こんなのを幾らで何時までに何台作れ」と社外のエンジニアに突きつける訳です。これがEMSとかODMとか守銭奴ビジネスマンが「効率がいい(=安い)」と喜ぶ手法です。こんな一方通行で、人をこき使っていい物が出来る訳ない。日本からモノ作れる人がいなくなるよ。
 著者も「理解しようとした事は納得しないと決して前に進まなかった」そうで、「世の中には理解せずに暗記する人が沢山いる。身にまとっただけの知識で仕事する人がいるから驚き。例外条件が発生すると応用が利かない」は大爆笑。そんな連中だらけで私も呆れてます。何か起きると本当に狼狽してるもん、あいつら。。。
 ITに限らず真面目に働く皆様にお勧めします。
*中島さんって無茶苦茶出来るんでしょうね。。仰る事はハード屋でも同じです。
nice!(3)  コメント(2)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

みんなデコボコ [読書 書評]

DSC06143.jpg

アスペルガー症候群 岡田尊司 幻冬舎新書

人はなぜこんなに多様なのか納得させられた本。
症候群というとビョーキみたいだが、アスペルガーと言う研究者が発見した一連の人々の特徴(こだわりが強い等)を、後に「アスペルガー症候群」と今は呼ぶとの事。将来はまた変わるかもしれない。 その特徴は色々あるが、どれが現れるかは人それぞれで千差万別。それが社会環境によって長所にも短所にもなりうる。 私はおそらく「強迫タイプ」だろう。凝り性と頑張りで乗り越えて来たけど、ピンチが重なって倒れちゃった。 読んでいて思い当たる事多数(笑)。だから僕の能力はデコボコなんだと。 周囲にも程度の差こそあれ『個性的』な人が多いと思う。しかも完璧な人はいない(笑)。 そのデコボコな人が協力するから物事は進む。多様性を尊重することは大切だ。反対に単純な物差しで人を評価する事はおかしい。

そう自分を振り返ると、やはり親の血を継いでいるんだなと思わされる。多分、気遣いと頑張り屋の母が7割、職人で凝り性の父が3割くらいかな? 真面目とか感覚が鋭いというのは長所でもあり過剰なのかもしれないね。それが活きるように暮らすんだな。自分らしくて良いんだよ。それが「愚者の如く」とか" Stay foolish! "なんだろうと解釈する。

アスペルガーとされる人は人口の数パーセント、シリコンバレーで一割くらいとある。疑問はアスペルガーとされない、もしくは特徴が少ない人のこと。一体どんな人なんでしょうね。想像がつかない。。。トレンド追ってるつもりで日経よんだり、こだわらず勧められるままにスマホ買っちゃったりするのかな。これは社会を読む為にすごく重要な気がします。
nice!(3)  コメント(2)  トラックバック(0) 
共通テーマ:健康

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。