SSブログ

11月の本 [読書 書評]

DSC00945.JPG

一週間でこんなに買ってしまった。バブル以後の解読、拘置所案内、理科など。

・獄中記 佐藤優
「拘置所みたいなところ」で過ごす術が満載されています。いまどき知っていて損はないです。このころが時代の山場なのかな。

・さまよえる自己 内海健
エンジニアをしていると「言っているだけ」(物や自然の根拠がない)な話に辟易する。本書は自然から「逸脱」した人間の仕組みを、精神科臨床から論じている。

ヒトの身体だけ見れば、やたら大きな頭を直立して支え、後ろ脚だけで歩き、未熟なまま産まれ、野生では生きられそうもない。なぜかヒトは本能を壊し「自己(こころ)」を作り野性から飛び出した。何でもありな能力を「言葉、社会、神様、掟」で抑えつけてきた。その神様も掟も存在が薄くなり自己も変わりつつある。 

世の中と「言ってるだけ」は表裏一体らしい。「陰陽」というアレか。せめて災厄は避けたい。

・薬物依存症 松本俊彦
著者はお医者さんで依存症の治療を手掛けている。

薬物と言うと特別に思えるが、アルコールもニコチンもカフェインも薬物だ。全然珍しくない。依存すると廃人のように思えるが、実際はふつうに生活している(読んでいるとどこかですれ違ってる様に思える)。誤ったイメージゆえに患者は孤立して依存する悪循環に陥る。もちろん罰してもやめられない。

専門家・支援者・当事者が試行錯誤して分かってきたこと。やめることは出来る(短時間なら)。失敗するのは当たり前。やめ続けることが難しい。  唯一の方法は当事者同士が正直に話せる場(失敗してもお咎めは無し)。やめたい人はやめ続けている人に会える。やめ続けている人は昔の自分を忘れずにいられる。困っているなら本人でも家族でも支援者・団体・自治体の精神保健福祉センターなどに助けを求める。

著者は福祉の番組などでお見かけする。当事者を繋げ続けるために水商売から示唆を得たり、経験の少ない人でも続けられるテキストを作ったり、専門家っぽくない表現もあり、徒手空拳で取り組んだ知見を読者に伝えたい気合を感じる。私が思うに「酔わないとやってられない」現実があるのだと思う。
nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

Facebook コメント

求人広告金融本 ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。